ワインの赤に香りの秘密あり!の研究結果

カテゴリー:酒, 食情報
投稿日:2016.11.09

赤色は色だけでなく香りも作っている!

ワインの赤色は、「色」だけでなく「アロマ(香り)」もつくっている、という研究結果が「平成28年度日本醸造学会大会(平成28年10月19日~20日会場:東京都北区・北とぴあ)にて発表されました。サッポロビール(株)とサッポロホールディングス(株)の共同研究により、ブドウ果汁に含まれるポリフェノール(抗酸化物質)の一種であり、ブドウの紫~赤色の“色素”でもある「アントシアニン(anthocyanin)」が酵母に作用して、赤ワインの特長的なアロマ成分の一つである「ジアセチル(Diacetyl)」の量を高めていることを明らかにしたものです。

 

第2アロマに関わるジアチセル

ワインのアロマは、以下の3種に大別されるといわれています。

・第1アロマ:ブドウにあらかじめ存在する“アロマ”

・第2アロマ:発酵に由来する“アロマ”

・第3アロマ:樽やびんでの熟成の過程で生まれる“アロマ”で、「ブーケ」と呼ばれるもの

ジアチセルは、発酵に由来する第2アロマであり、他の酒類や白ワインと比べ、赤ワインでは含有量が高いもの。赤ワインの特長である、少し甘い後香を残したり、味の厚みにもつながる香りを醸すといわれています。

 

赤色がアロマ(香り)を生む!?

アントシアニンは、赤ワインやブルーベリー、ナスなどに含まれる色素で、強い抗酸化作用をもち、紫外線の悪影響から体を守ったり、目の働きを助ける効果などでよく知られています。アントシアニンは500以上の種類があるとされていますが、ブドウ果汁の中にもさまざまな種類のアントシアニンが含まれています。

同社は、赤ワインの原料となる黒ブドウ果汁を合成吸着剤(XAD)や、逆相クロマトグラフィーで9種類の画分に分け、それぞれに白ブドウ果汁に加えてアルコール発酵を行いました。すると、アロマ成分の一つであるジアセチルの生成が促進される画分があることを発見。さらに、その画分の添加量に応じてジアセチルの生成量も変化すること、その主要な成分はアントシアニンの一種である「マルビジン-3-グルコシド」であることがわかりました。

また、ブドウ果汁に含まれるアントシアニンの種類によってもジアチセルの生成量が異なること、アントシアニン類を除いた果汁ではジアチセルの変化に関わる遺伝子「BDH1」の発現が抑えられることもわかりました。

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これにより、アントシアニンは、ジアセチルの生成に影響を及ぼし、また、同成分の量によってジアセチルの濃度も変化することがわかったのです。同じ赤ワインでもアントシアニンが多く含まれているブドウ果汁を用いると、アロマ成分のジアセチルが高く、味のボディー感が増し、アントシアニン量の視点からブドウ果汁を選ぶことで、豊かなワインの香りや味をリーズナブルに引き出すことが出来る可能性が示唆されるものでした。。

ワインの魅力の一つでもある“赤色”には、もう一つの魅力であるアロマの秘密も隠されていたんですね。

同社では、この研究結果から「さらに品質や味わいを高め、これまで以上にお客様に喜んでいただけるワインをご提供をできるよう研究を続けていく」としており、一層おいしいワインが生まれそうで楽しみです。

 

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この記事を書いた人

編集部
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