需要急増!「綱渡り」続くフードバンク!茨城では一般向けの提供ボックスも

カテゴリー:ニュース
投稿日:2016.08.24

普通に食べることができるのにもかかわらず、様々な理由で処分されてしまう食料品を引き取り、生活困窮者や福祉施設などに無償で届ける「フードバンク」。全国で取り組みが広がるとともに、自治体や社会福祉協議会からの生活困窮者向けへの支援要請が急増しています。需要が急増しても、需要に見合った食品が集まるわけではないため、「綱渡り」の運営を強いられているフードバンクも多いそうです。茨城県では、一般の人々から食品を提供してもらう常設のボックスを設置し、協力を呼びかけています。

フードバンクと自治体や社会福祉協議会(社協)との連携が増えているのは、昨年4月の「生活困窮者自立支援法」の施行がきっかけになっています。全国の自治体や社協に生活に困った人々のための相談窓口が設置されたことから、生活保護の受給が始まるまで、食べつなぐための食品の提供依頼が各地で急増しているそうです。

 

「きずなBOX」とは

2011年に発足した「フードバンク茨城」(茨城県牛久市)でも、昨年4月以降、こうした提供要請がほぼ倍増しています。事務局の齋藤繁さんは「生活に困った人々には、すぐ食べることのできるお米、乾麺、缶詰やレトルト食品が重宝されますが、必要な食品が計画的に集まるわけではありません。依頼は増えても出荷が追いつかず、自転車操業を強いられています」と話します。主に地元の食品メーカーやスーパー、寺院のほか、災害時の備蓄食料を更新した企業や団体などから食品の寄付を受け、小分けしたうえで児童擁護施設や福祉施設に届けるほか、支援団体を通じて路上生活者や貧困家庭などに提供しています。現在、食品提供先は県内自治体の7割以上をカバーしているそうです。

提携先の増加を受け、生活困窮者向けの食品提供は昨年度は前年度比でほぼ倍、今年度も昨年度の倍のペースで増えています。こうした状況を受け、フードバンク茨城では昨年秋から、水戸市やつくば市、牛久市など8市の20ヵ所に常設の食品提供場所である「きずなBOX」を設置しました。

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家庭に眠っている、未開封で賞味期限が2ヵ月以上残っている缶詰やインスタント食品、レトルト食品を持ち寄ってもらう「フードドライブ」と言われる運動です。フードバンク茨城では昨年度、企業・団体分と合わせて約87tの食品を集め、延べ数千人に届けたそうです。事務局の齋藤さんは「設置して1年になりますが、茨城にもフードバンクがあるということを知ってもらえるなど予想外の反響がありました。暮らしに困った人々を継続的に支えていけるよう取り組んでいきたい」と話しています。

 

「支援の輪」広がるか

40年以上前に米国で始まったフードバンク運動は、日本でも2002年に国内初のフードバンクとなる「セカンドハーベスト・ジャパン」(東京都)が発足。その後、全国に取り組みが広がり、昨年11月には全国組織である「全国フードバンク推進協議会」が結成され、全国の17団体が参加しています。

食品ロスや廃棄コストを減らすとともに、生活に困った人々を支えるフードバンク運動が日本に根付き、貧困などの社会的な課題を解決する力となっていけるかどうか。各団体の地道な活動だけではなく、私たち一人ひとりの理解と継続的な支援が求められています。

 

※「フードバンク茨城」:https://sites.google.com/site/fbibaraki/

※「セカンドハーベスト・ジャパン」:https://www.2hj.org/

※「全国フードバンク推進協議会」:http://www.fb-kyougikai.net/

 

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この記事を書いた人

編集部
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