バターは健康の「敵」なのか?

カテゴリー:食情報
投稿日:2016.05.30

成分の8割が「乳脂肪」であるバターは、「太りそう」とか、「生活習慣病につながりそう」と、敬遠する人も少なくないですよね。

世間一般にバターを避ける風潮が生まれたのは1950年代のこと。米ミネソタ大学のアンセル・キーズ博士が、「飽和脂肪酸は、心臓疾患の原因となる」という説を主張し始めたのがきっかけといわれています。その結果、飽和脂肪酸系の脂質であるバターは、「健康の敵」のように扱われるようになったのです。

ところが、2014年、英ケンブリッジ大学のラジブ・チョードゥリー博士らがその逆の研究結果を発表しました。飽和脂肪酸は心臓疾患の原因とはならないとしたのです。これを受け、最近、バターの栄養価が見直されるようになってきています。

 

脂質の摂取は、人間の体に必須なこと

三大栄養素の一つである脂質は、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分類されます。両者には次の違いがあります。

 

●飽和脂肪酸

常温では個体で存在。牛や豚の脂肪分やバターなどの動物性脂肪に多く含まれます。

 

●不飽和脂肪酸

常温では液体で存在。植物から作った食用油や魚類の油に多く含まれます(鯨も同様)。健康にいいと話題の「オメガ3系」の油は不飽和脂肪酸に分類されます。

 

飽和脂肪酸は、血中の悪玉コレステロール(LDL)を増やすといった健康に対する害が強調されますが、そもそも脂質は体にとって必要なもの。体のエネルギー源であり、細胞膜や血液の材料となります。これは、飽和脂肪酸であれ、不飽和脂肪酸であれ変わりません。

その意味で、バターを含む飽和脂肪酸を摂ること自体は体にとってマイナスではありません。「バターはまったく摂らない」と毛嫌いする必要はなく、適量なら健康に問題はないのです。

 

バターはビタミンAの宝庫!

バターは栄養価の高い食材です。とくに注目したいのが、ビタミンAの含有量。天然油脂の中では最高といわれています。ちなみに、バターがイエローなのは、ビタミンAに含まれるカロテンによるものです(ニンジンがオレンジ色なのと同じ理由)。

ビタミンAには、高い抗酸化作用があり、ガンを予防し、老化をゆるやかにする効果が期待できます。また、皮膚や爪を丈夫にしたり、目を元気にしたりという働きもあります。

そのほか、これまた強い抗酸化パワーを持つビタミンEや、カルシウムの吸収を促すビタミンDも多く含まれています。

「太るから」とバターを敬遠してしまうのは、健康や若々しさを維持する上で、実はもったいないことなのです。

 

マーガリンとバターは、似て非なるもの

逆に敬遠したほうがいいのが「マーガリン」です。バターの代わりにしばしば使われるマーガリンですが、両者は似て非なるもの。

マーガリンは、液状の植物油に水素を添加して固形状の油脂に加工し、そこにビタミンAや乳化剤、水、塩等を加えて作ります。この固形状にする際に生成される「トランス脂肪酸」が、現在、問題になっています。悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすという研究結果がいくつも出ており、摂りすぎによる心臓疾患のリスクが指摘されているのです。

健康のことを考えたら、マーガリンをバターの代用にするのは考えもの。「マーガリンではなく、バター」という意識を持つことが大切です。とはいっても、バターの摂りすぎには要注意ですよ!!

 

[参考]一般社団法人:日本乳業協会:http://www.nyukyou.jp/index.html

 

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この記事を書いた人

編集部
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