日本人は”花食人”!?

カテゴリー:食情報
投稿日:2016.05.12

花の美しい季節です。今年は花を食べましたか?「花を食べる」というと、特別なことのように感じますが、菜の花やあんパンについている桜の花の塩漬けなどの例を挙げれば、心当りがあるのではないでしょうか。刺身のツマや和えものなどに使われる食用菊のほか、蕗の薹(とう)、穂紫蘇、桜茶(桜湯)など、日本人は花をよく食べています。カラフルなエディブルフラワー(Edible Flower・食べられる花)が大手百貨店やスーパーなどで扱われ、レストランで特別コースが提供されるなど、花食を楽しめる機会が増えてきています。

 

日本人は古くから花を食べていた!

小泉センセイ(当サイト総合監修/東京農業大学名誉教授)いわく、「日本人の花食いは、大昔からのこと」。野菊はもちろん、たんぽぽ、すみれ、椿や牡丹など、おそらく縄文時代以前から食べていたといいます。現在よく目にする食用菊は、平安時代の『延喜式』(※)の「典薬寮(てんやくりょう)」の条に「黄菊花」と記されていたように、薬餌(やくじ)として重用されていたようです。また、菊の花を酒に漬ける菊酒は、陰暦の9月9日に行われていた菊の節句・重陽節で供されていたといいます。

 

花はおいしい活力源!!

「花粉や蜜には、さまざまな微量成分、とりわけリンや鉄、マグネシウム、カルシウム、カリウムのようなミネラル類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンKなどのビタミン類が豊富に含まれている。このため花を食することは、当時の粗末な食生活の中にあって、貴重な活力源のひとつにもなっていた」(小泉センセイ)といいます。さまざまな食品から栄養を摂れる現代人にとっても、不足しがちなビタミン・ミネラル類が豊富なのは嬉しいところです。何よりも、味覚だけでなく嗅覚や視覚からも季節感を味わえるのが「花を食べる」魅力。

ただし、観賞用の花を流用せずに、必ず食用のものを選ぶこと。自生している花も、スイセンやスズラン、イヌサフランのように見た目は可憐でも有毒な植物もあります。ご注意を!

 

※延喜式……平安時代の律令の施行細則を記録したもの。

〔参考:「江戸の健康食」(小泉武夫、河出書房新社)〕

 

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編集部
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