幻の食材?! みりん粕「こぼれ梅」

カテゴリー:発酵食品全般
投稿日:2016.03.09

 みりん粕を知っていますか?みりん粕は、みりんを作る工程で出るしぼり粕のことです。みりん粕は、原材料に糖分や旨み成分を加えて製造されるみりんにはほとんどなく、もち米と米麹を焼酎で発酵させる昔ながらの製法で作るみりんからしか生まれません。そのため、今では非常に希少性が高く、幻の食材とも言われているのです。

 

 酒粕とみりん粕の違い

 酒粕は、うるち米と米麹からできているためペースト状や板状のものが多いのですが、みりん粕は、もち米と米麹、米焼酎からつくられています。もち米特有の粘り気があり真っ白でぽろぽろした形状が、満開になった梅の花のように見えることから風流な別名「こぼれ梅」とも呼ばれます。 江戸時代中期の書物『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』にも登場するほど。みりん粕は、もち米由来の自然の甘さから、”甘いお菓子”として古くから親しまれており、寺院や神社の門前町などでも売られていました。

 このようにみりん粕は、お菓子としてそのまま食べるだけでなく、甘酒や料理などにも使われました。たとえば、高級漬物の代名詞でもある守口漬は、最後の仕上げにみりん粕が入ることで上品な甘みが加わりますが、これはみりん粕でしか出せない味です。

 

 つい最近発見された、みりん粕の健康パワー

 みりん粕には、たんぱく質の一種で食物繊維に似た働きを持つ「レジスタントプロテイン」が含まれるということが、2014年の「日本健康医学会」で発表されました。「レジスタントプロテイン」は、米にも含まれています。しかし、みりんの場合、「レジスタントプロテイン」を取り囲んでいたでんぷんやたんぱく質は麹の発酵によって分解される一方、「レジスタントプロテイン」そのものはあまり分解されずに、いわばむき出しの状態でみりん粕の中に残ります。これを食べると胃では消化されにくいので、そのまま小腸に進み、そこでコレステロールなど脂質をつかまえる働きがある、というわけです。

 

 みりん粕を料理に取り入れよう

 みりん粕はアルコール分が十分飛んでおらず、お子さんやお酒の弱い方だとそのままではいただけないので、おいしさを生かす料理やお菓子に取り入れるのがよいでしょう。そこで、調味料アドバイザーの古谷史織さんにとっておきのレシピを教えていただきました。

 

●豚肉のみりん粕漬け

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【材料】

豚肉厚切り:3枚(1枚約100gで、ロースや肩ロースの部位)

生姜:1/3個

米味噌:60g

みりん粕:30g

 

【作り方】

1./生姜は薄切りにしておく。みりん粕と味噌をよく混ぜ合わせ、豚肉の表面に塗り生姜の薄切りを貼りつけてからラップで包み冷蔵庫で一晩おく。

2./豚肉の表面についた生姜と味噌を取り除き、お好みで切り分ける。中弱火に熱したフライパンに油(分量外)を薄く引き両面をよく焼き、途中で生姜もフライパンの隅で火を入れ、あわせて盛り付ければ完成。

 

【ポイント】

味噌は、だし入り味噌でない非加熱タイプのものを選びましょう。

味噌に含まれる米麹の量にもよりますが、味噌:みりん粕を2:1程度の割合であわせます。お好みの割合に配合を調整してから漬け込みましょう。

 

●みりん粕 ソフトクッキー

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【材料(15個分)】

みりん粕:60g

コーンスターチ:30g

薄力粉:10g

バター:30g

ヨーグルト(無糖):小さじ1

夏みかんピール:10g

レーズン:10g

くるみ:10g

 

【作り方】

1./くるみ・夏みかんピール・レーズンを細かく刻み、バターを電子レンジで20~30秒加熱し溶かしバターを作る。

2./みりん粕をボウルに入れ、大きめのスプーンで混ぜポロポロの状態にしてから、ヨーグルトと1を入れさっくり混ぜあわせ、さらに数回に分けて薄力粉とコーンスターチをふるい入れ、よくなじませる。

3./生地に粉っぽさがなくなってきたら15等分にし、直径2cm厚さ8mm程度の丸型に成形する(生地に入っている空気を残しつつ、真ん中を少し凹ませるのがポイント)。

4./160度に余熱したオーブンで15分焼きあげ完成。

 

【ポイント】

クッキーに入れるピールやナッツ・ドライフルーツは、お好みのものをあわせてみてください。焼き加減は、オーブンによって変わりますので調整してください。

ほうじ茶や緑茶など日本のお茶をあわせて、みりんの奥深い甘みを楽しむのがオススメです。 

 

[取材協力]

白扇酒造株式会社

岐阜県加茂郡川辺町中川辺28番地

TEL:0574-43-3835(代)

http://www.hakusenshuzou.jp/

 

※撮影・レシピ提供:調味料アドバイザー 古谷史織

 

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この記事を書いた人

編集部
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