ボツワナの屋台、肉料理「セスワ」の味

カテゴリー:食情報 投稿日:2018.04.22

「ボツワナに行ってきました」というと、大抵の人に「ボツワナってアフリカ? 怖くなかったですか?」と言われる。

そもそもアフリカには54もの国があることをご存知だろうか。ボツワナはいわゆる「貧しい」「怖い」「政治が安定しない」などというアフリカの多くの国と異なり、裕福で安定した国の一つ。そのボツワナの観光の目玉の一つが、野生動物を真近に見ることができるオカヴァンゴの「サファリ」。象にキリン、ヒョウ、カバなどが棲息している世界最大の内陸デルタ(面積は25000km2/東京都の約11倍)は、ボツワナ北部、カラハリ砂漠の中にある。

オカヴァンゴを目指すには、陸路の交通手段はなく、小型の航空機で入るしかない。

内陸デルタ

 

 

オカヴァンゴの入り口の小さな町、マウンの屋台を紹介しよう。

マウンの中心部は、土産物店やレストランが5、6軒並んでいるだけ。その中でもちょっと異色なのが屋台。バラックのような簡素な屋台に銀色の鍋が並べられている。

午後2時頃、おばさんたちも暇そうだ

 

屋台の様子

 

お鍋の中身を写真撮らせて、というと、「見るよりも、少しでいいから食べてごらん、私は料理上手なのよ! 朝作ってきたんだから」とおばさん。あまりお腹はすいてなかったが、数少ないお客は逃がさないよという目でおばさんが笑いかけてくるので降参して買うことにする。

メニューは、骨つきの牛肉を煮込んだもの、鶏肉のトマト煮込み、とうもろこしの粉を炊いたもの、カレーらしき汁物など8種類ぐらい。なかでも骨つき牛肉の煮込みは、「セスワ」というボツワナを代表する肉料理だという。

「とうもろこしの主食と一緒に食べるのよ」とおばさん。「結婚式でもお葬式でもいつでもこれが出るの。肉に塩と月桂樹の葉をまぶして4、5時間茹でるだけ。骨から外れるくらい柔らかくなったら木べらで肉をつぶして出来上がり」

「セスワ」はボツワナの代表的肉料理

 

下の写真手前は南部アフリカでよく食べられている主食で、とうもろこしの粉を炊いたパパ。

奥にあるのはピラフ

 

「セスワ」はその場で少し食べさせてもらったが、非常に素朴な味。塩味薄めのコンビーフといったところだろうか。持ち帰り用に、鶏と豆の煮込み、ポテトサラダをほんの少しプラスチックケースに入れてもらった(写真)。

これで1ドル

 

これから小型機で湿地帯のオカヴァンゴへ行く人や、国内外の飛行機を待つ人のためのお弁当として売っているのだろう。

30度を超える炎天下で売られている屋台の煮込みを食べるのは少々不安だったが、柔らかく煮込まれていて、意外と日本人の口に合う味だった。

オカヴァンゴの湿地帯までは約1時間

 

取材・文/YOKO

 

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編集部
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