福井の奇祭、山盛りごぼうを食べまくる!(2)

カテゴリー:食情報
投稿日:2018.03.27

さて、ごぼう講の祭り当日になりました。昨日の会場(宿主の自宅)へ行ってみるとたくさんの人だかりです。珍しい祭りなのでマスコミが多く詰め掛けるのだとか。といっても地元系のマスコミが多いようで、まだまだ知られざる祭りです。

正装でお座敷に集まる

 

午前11時より神事が始まり、今年の豊作と繁栄を祈願。それが終わるといよいよ「直会(なおらい)」と呼ばれる宴会です。

それにしてもすごい盛り方です

 

ご飯は5合盛り! 森のように生い茂ったごぼうは1人2kgだそうです! その隣には、前日作っていた下駄割大根とその上に焼き豆腐が一丁乗っています。たくあん2本と丸揚げごぼうもあります。さらに唐辛子の小袋が添えられていて、これはごぼうの味に飽きたら振りかけて味を変えられる、思いやりの小袋です。

ご飯を盛るために使われる道具

 

ご飯を盛るための道具を見せてもらいました。このような盛り方を「物相飯(もっそうめし)」というそうです。曲げわっぱのような「物相型」にご飯をぎゅっと詰め込んで型抜きします。古い型には天保10年(1839年)と書いており、そんな昔からこの盛り盛りご飯が行われていたのだということが分かります。

 「惣田正月十七日講附立帳」

 

ごぼう講の決め事について書かれた貴重な資料も見せてもらいました。宝永2年(1705年)から現在まで続く台帳で、当番の名前などが書かれています。しかしなぜごぼうなのか? なぜご飯やごぼうがこんなにも山盛りなのか? などはっきりとは分からないそうです。町の人の話では、当番制であることから「俺の回で終わらせるわけにはいかない。俺の回はもっとすごいぞ!」という男の意地と見栄が積み重なった結果じゃないか、などと話されていました。

和やかな直会が行われていた

 

お酒が次々と注がれて、大宴会が始まります。バックではじゃんじゃん燗が付けられていました。といってもこれだけのボリュームはやはりなかなか全部食べきれないようで、余った料理はパックに詰めて持ち帰り、家族みんなで食べて、祭りの余韻を楽しむそうです。ごぼう講の準備と直会の参加は男性だけしかできませんが、実際には多くの女性達も裏方でお手伝いをしています。

直会の後は、お手伝いをしてくれたみなさんで、感謝を込めた宴会が催されるそうです。前日に訪ねた時、宿主のキッチンには、地域の女性達が多く集まって、ワイワイと下準備。宴会のための料理や食材の一覧が模造紙一面に記され、壁に貼られていました。地域の人たちがみんなで盛り上げ、協力し合って祭りが執り行われ、長い年月に渡って脈々と伝承されているのでした。

 

写真・文:江澤香織

ライター。食・旅・クラフト等を中心に活動。著書「山陰旅行 クラフト+食めぐり」「青森・函館めぐり」「酔い子の旅のしおり」等。酒蔵や酒場を中心に巡るツアーやイベントも主宰。発酵マニアで各地の発酵食品の現場を訪ねることはライフワークのひとつ。

 

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この記事を書いた人

編集部
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