まったり白あん風味! 「金時豆味噌」はこっくり深い味わい

カテゴリー:味噌 投稿日:2018.03.06

●金時豆はインゲン豆の代表

赤インゲンとも呼ばれる金時豆は、インゲンマメ属の豆です。日本では各地にインゲン豆の在来種がありますが、なかでも金時豆はいちばん多く栽培されていて、インゲン豆の代表といえるでしょう。ほかに白インゲンの手亡(てぼう)、虎豆、うずら豆などもインゲン豆の仲間。チリコンカンに使うレッドキドニー豆もインゲン豆です。

インゲン豆は紀元前4000年頃に南米で誕生したとされ、16世紀頃にヨーロッパに、さらに17世紀頃に中国から隠元禅師によって日本にやってきたといわれ、インゲン豆の名前がつきました。

 

●白あんっぽい味を楽しむなら若い味噌がおすすめ

インゲン豆はおなじみの煮豆のほか、サラダなどに使われますが、若サヤはサヤインゲンとして食べられています。そして、味噌にしてもおいしい豆です。ほっくり、ねっとりして、白あんを彷彿とさせる風味は、深みのあるなつかしい味わい。

紹介するレシピは、麹を豆の倍量で作る短期熟成みそ。金時豆は大豆よりたんぱく質や脂質の含有量が少ないので、旨みを補うために倍麹で仕込んでいます。麹の比率が高いので、旨みが強いだけでなく、すぐに食べられるのもうれしいところ。冬は約4週間、夏は約2週間後からが食べどき。さらに3ヵ月、6ヵ月、1年と熟成させてもOK。発酵熟成していく過程を楽しむのにも向いている味噌です。

白あんっぽい風味を味わいたいときは、仕込み後1~2ヵ月の若い味噌がよいでしょう。若い味わいのうちは、ディップやふろふき大根、田楽など、みそをダイレクトに味わうのがおすすめ。熟成がすすむにつれて大豆で仕込んだ味噌に味が近づいていくので、味噌汁や炒め物なども合います。

金時豆以外のインゲン豆でも作れるので、いろいろ試してみましょう。

 

【材料】(できあがり約1kg分)

・金時豆(乾燥):250g

・米麹(生):500g ※乾燥麹を使う場合は戻しておく

・自然塩:100~125g

※たくさん作る場合は、大豆:麹:塩=1:2:0.4~0.5の比率で増やす

右上から時計回りに、金時豆、塩、米麹

 

【作り方】

1./豆をよく洗い、12~24時間、3倍量の水につけて戻す。

たっぷりの水につけて豆を戻す

 

2./圧力鍋で豆を蒸す。煮てもよいが、蒸したほうが旨みが強くなる。底から5cmほど新しい水を入れ、ザルに豆を入れてフタをして加熱する。蒸気が上がりはじめたら、軽く蒸気が出るくらいの火加減にして、約20分加圧して火を止め、15分ほど放置する。圧力鍋がないときは、鍋で豆がやわらかくなるまで3~4時間煮る。

ここでは蒸しているが煮てもOK

 

3./指でつまむと簡単につぶれるくらいの柔らかさになるまで加熱する。

豆をつまんで固さを確認する

 

4./金時豆をザルにあげて水気を切る。蒸し汁はとっておく。

蒸し汁は捨てずにとっておく

 

5./金時豆を煮ている間に麹を準備。麹をボウルなどに入れ、ほぐす。

麹はバラバラにほぐしておく

 

6./麹に塩を入れて混ぜる。

麹に塩を加える

 

7./麹に塩をすりこむように、麹と塩をよく混ぜて「塩切り麹」を作る。

麹を塩切りする

 

8./加熱した金時豆を大きいビニール袋などに入れて、手でまんべんなく押しつぶす。つぶし加減は好みで調節。細かくつぶしたほうが早く熟成するが、粒が残っているくらいもおいしい。豆が熱いうちがつぶしやすい。つぶしたら、豆を人肌(36~38度)以下に冷ます。熱いと麹の酵素が働きにくくなくなるのでよく冷ます。

手の平で押して豆をつぶす

 

9./8のつぶした豆に7の塩切り麹を入れる。

つぶした豆と麹を混ぜる

 

10./つぶした豆と塩切り麹をしっかり混ぜる。

みそだね全体をよく混ぜる

 

11./みそだねが固いときは、とっておいたゆで汁を加えて固さを調節。固すぎると発酵が遅くなり、ゆるすぎるとカビが生えやすくなるので注意。耳たぶくらいの固さが目安。これでみそダネが完成。

ゆで汁で固さを調節する

 

12./清潔な容器にみそダネを詰める。容器はあらかじめアルコールをひたしたキッチンペーパーなどでふいておく。みそダネは空気を抜くようにボール状に丸め、容器に詰める。

空気を抜いて容器にみっちり入れる

 

13./全部詰めたら、表面を平らにならす。

みそだねの表面を平らに

 

14./容器の内側についた汚れなどは、アルコールを浸したキッチンペーパーなどで拭いて、きれいにしておく。カビの予防になる。

容器をきれいにする

 

15./表面をぴっちりラップで覆う。熟成期間が短いので重しを乗せなくてもよい。重しを乗せる場合は、ビニール袋に塩を入れ、みその半量から同量の重さの重しをする。

ラップで表面を覆う

 

16./ホコリが入らないようにフタをして、仕込み完了。常温に置き、発酵熟成させる。夏は2週間、冬は4週間後からおいしく食べられる。そのまま常温で発酵熟成させて、好みの味になったら冷蔵保存して1年くらいで食べ切る。なお、発酵熟成の途中でカビが出る場合も。そのときは、カビは取り除けばOK。アルコール臭がする場合は、ときどき混ぜて熟成させると、徐々に発酵が落ち着く。好みの味になったら冷蔵保存し、1年ほどで食べきる。

フタをして発酵熟成させる

 

17./ジッパー付き保存袋に仕込んでもOK。その場合も、空気が入らないようにみっちり詰める。

空気を抜いて詰める

 

18./できあがり。

冬仕込みで熟成1か月後

 

冬仕込みで熟成8か月後

 

●豆腐と里芋とコンニャクの田楽(金時豆味噌を使ったレシピ)

 

【材料】(2人分)

・木綿豆腐:1/2丁

・里芋:小4個

・コンニャク:1/2枚

・みそだれ

 金時豆味噌:大さじ3

 酒:大さじ2

 みりん:大さじ1

 砂糖:小さじ1~2(好みで調節)

・白ゴマ:適宜

・黒ゴマ:適宜

・ユズの皮(千切り):適宜

 

【作り方】

1./豆腐はキッチンペーパーなどで包んで軽く重しをして15~30分ほど水切りする。コンニャクは下ゆでする。里芋は皮をむき、竹串がすっと通るくらいに下ゆでする。

2./みそだれを作る。鍋にみそだれの材料を合わせて中火から弱火にかけ、焦げないように混ぜながら、ぽてっとするくらいの濃度に煮詰める。

3./1の豆腐、コンニャク、里芋に串を刺す。豆腐とコンニャクはフライパンで両面を軽く焼いて焦げめをつける。器に豆腐、コンニャク、里芋を盛り、みそだれをのせ、好みで白ゴマ、黒ゴマ、ユズ皮の千切りを添える。

 

撮影:信長江美

文・レシピ:オザワエイコ

手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。

 

  •                    

\  この記事をSNSでシェアしよう!  /

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう!
小泉武夫 食マガジンの最新情報を毎日お届け

この記事を書いた人

編集部
「丸ごと小泉武夫 食 マガジン」は「食」に特化した情報サイトです。 発酵食を中心とした情報を発信していきます。

あわせて読みたい