縄文人もお酒を飲んでいた【小泉武夫・食べるということ(24)】

カテゴリー:食情報
投稿日:2017.10.24

日本酒は日本独自のもの

私は造り酒屋の倅(せがれ)ですし、醸造学の研究者でもありますから、お酒に関する質問を受ける機会が多々あります。とりわけ、お酒の歴史について聞かれることが多いのですが、日本酒は中国や朝鮮半島から伝えられたと思っている人が、意外にたくさんいます。

最初に言っておきますが、日本酒は日本人が発明したオリジナルのお酒です。そして、日本人の生活習慣には欠かせないものとして、今日まで伝えられてきたのです。言い方を変えれば、日本の文化とお酒とは、切っても切れない関係にあるといえるのです。

 

縄文時代には発明されていた日本酒

私たちの祖先が、いったいいつ頃からお酒を口にしていたのか。これには諸説ありますが、縄文時代中期にはお酒がつくられていたという痕跡が残っています。昭和28年8月、長野県諏訪郡富士見町の井戸尻遺跡から、有孔鍔付(ゆうこうつばつき)土器という大型の縄文式土器が出土しました。当初は雑穀などの貯蔵に使われた容器だと考えられましたが、詳しく調べてみると、土器の内側にヤマブドウの皮や種が付着していたのです。

ヤマブドウやキイチゴのような漿果(しょうか)類は、実に含まれる果糖やブドウ糖が自然界にある酵母と反応するとアルコール発酵が起こり、お酒になります。ちょうどワインをつくる原理ですが、それを知っていた縄文人は、意図的にお酒をつくっていたのではないかという仮説が立てられました。後に、それを裏付けるように、同じ場所から酒器や供献資具らしき土器が多数発見されたのです。

紀元前4000〜同3000年頃に暮らしていた私たちの祖先が、すでにお酒をつくって飲む文化を持っていたというのは、驚くべき事実です。

小泉武夫

 

※本記事は小泉センセイのCDブック『民族と食の文化 食べるということ』から抜粋しています。

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この記事を書いた人

編集部
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